本記事は、美容と法律にくわしい解説者の視点から、インクメイク(美容アートメイク)の法的な位置づけを、2020年の最高裁判決をもとに、できるだけ分かりやすく・詳しく整理したものです。
「資格がない人が針で色を入れて、法律的に大丈夫なの?」
眉やアイラインのインクメイク(美容アートメイク)に興味はあるけれど、「医師でない人が皮膚に針で色素を入れて、本当に法律的に問題ないの?」と不安に感じる方は少なくありません。とても大切な視点です。
結論からお伝えします。Lily+eyeが行うインクメイクは、2020年の最高裁判決が示した判断の枠組みと、国際的な業界基準(ITAA)に沿った「美容施術」として、合法的に提供しています。なぜそう言い切れるのか、法律の根拠を順を追って解説していきます。
前提知識:医師法17条と「医行為」とは何か
日本の医師法17条は「医師でなければ、医業をなしてはならない」と定めています。ここでいう「医業」とは、反復継続する意思をもって「医行為」を行うことを指します。
では「医行為」とは何か。従来、これは「医師の医学的判断および技術をもって行うのでなければ、人体に危害を及ぼし、またはそのおそれのある行為」と理解されてきました。
そして長い間、針で皮膚に色素を入れる施術(タトゥーやアートメイク)は、この「医行為」に当たるおそれがある――と指摘されてきました。この論点に、最高裁が明確な判断の枠組みを示したのが、2020年の決定です。
2020年9月16日・最高裁決定(タトゥー彫り師事件)
▶ 出典・判例:最高裁判所 第二小法廷 令和2年(2020年)9月16日 決定(平成30年(あ)第1790号・医師法違反被告事件)。判決全文は 裁判所ウェブサイトで公開されている判決文(PDF) でご確認いただけます。
この事件は、医師免許を持たない彫り師がタトゥーを施した行為が、医師法違反(無資格での医業)に当たるかどうかが争われたものです。最高裁第二小法廷は、令和2年(2020年)9月16日、「彫り師の施術は医行為に当たらない」と判断し、無罪を確定させました。美容・施術業界に大きな影響を与えた、重要な判例です。
判決の核心:医行為かどうかは「目的・社会的な意味」もふまえて判断する
最高裁は、ある行為が「医行為」に当たるかどうかについて、次のような考え方を示しました。
その行為の方法や作用のみならず、目的、行為者と相手方との関係、その行為が行われる際の具体的な状況、実情や社会における受け止め方などをも考慮したうえで、社会通念に照らして判断するのが相当である。
そのうえで最高裁は、タトゥーの施術は装飾的・芸術的な意義をもつ行為であって、医療や保健指導とは性質を異にする、と判断しました。
ここがポイントです。「針を使って皮膚に色素を入れる」という方法そのものが同じでも、その目的が医療ではなく装飾・美容にある場合には、ただちに医行為とは言えない――最高裁はそう整理したのです。行為の“やり方”だけでなく、“何のための行為か(目的)”と“社会での受け止め方”を一体で見る、という判断の枠組みが確立されました。
この枠組みを、インクメイク(美容アートメイク)に当てはめると
インクメイクは、病気の治療や診断のために行うものではありません。「毎朝のメイク時間を楽にしたい」「すっぴんでも自然で美しい眉でいたい」という、美容・装飾を目的とした施術です。
最高裁が重視した「目的」「社会における受け止め方」という観点から見れば、医療目的で行うアートメイクとは、はっきりと区別されます。Lily+eyeでは、この考え方をふまえ、美容師資格を持つスタッフが、国際的な業界団体であるITAA(国際タトゥーアーティスト協会)の基準に準拠して、美容施術としてインクメイクを行っています。色素も、肌の変化やライフスタイルに柔軟に対応できるよう浅めに入れるのが特徴です。
「医療アートメイク」との違いを整理しておきましょう
| 比較項目 | インクメイク(Lily+eye) | 医療アートメイク |
|---|---|---|
| 目的 | 美容・装飾 | 医療を含む |
| 施術者 | 美容師資格者(ITAA基準) | 医師・看護師 |
| 場所 | 美容サロン | 医療機関(クリニック) |
| 色素の深さ | 浅め(変化に柔軟に対応) | 比較的深め |
| 法的位置づけ | 美容施術(最高裁の判断枠組み・ITAA基準) | 医行為(医師法の管轄) |
| 麻酔 | なし | 局所麻酔可(医師管理下) |
このように、同じ「アートメイク」という言葉でも、医療として行うのか、美容として行うのかで、法的な位置づけが分かれます。Lily+eyeが提供しているのは後者、すなわち美容施術としてのインクメイクです。
結論:だから、Lily+eyeのインクメイクは安心してご相談いただけます
ここまでの内容をまとめると、Lily+eyeのインクメイクが安心していただける理由は、次の3点に集約されます。
- ① 2020年・最高裁判決の判断枠組みに沿っている――美容・装飾を目的とする施術であり、医療目的の行為とは明確に区別されます。
- ② 美容師資格者が、ITAA基準に準拠して施術――技術と衛生管理について、国際的な業界基準にのっとって行っています。
- ③ 「医療行為ではない」ことを明確にしている――医療アートメイクとは、目的・施術者・場所のすべてが異なります。
「クリニックは敷居が高い」「もっと気軽に相談したい」――そんな方こそ、Lily+eyeなら、美容サロンならではの落ち着いた雰囲気のなかで、安心してインクメイクをご相談いただけます。
インクメイクの詳しい内容は インクメイク(美容アートメイク)のページ、サロン全体については Lily+eye をご覧ください。
※ 本記事は法令や判例を一般向けに分かりやすく解説したものであり、個別の法律判断を保証するものではありません。本施術は医療行為ではなく、医療的な効果・効能を保証するものではありません。色素の定着や持続には個人差があります。気になる点は、カウンセリングでお気軽にご相談ください。